ステップアップのためのZBRUSHガイド

ステップアップのための ZBrush ガイド

「ステップアップのためのZBRUSHガイド」を読みました。この本は3dtotalが出した「Beginner’s Guide to ZBrush」の翻訳本です。
読み終えての感想としては、完全な初心者にはちょっと内容的に難しいかな?です。色々な機能の紹介と解説がありますが、深く掘り下げてまで解説されているわけではないので、完全な初心者には理解が難しいかもしれません。ただ、ZBrushでどんな事ができるのか?というのは学べていいと思います。この本のターゲットの方はすでにZBrushに触っていて機能を理解していることが前提だと思いました。初心者をちょっと抜けてきたぐらいの方が初心者教材の次に読む本として良いかと思います。
次に議論が分かれそうなところとして、この本のZBrushのUI(ユーザーインターフェース)の言語についてです。この本の解説画像のZBrushインターフェースはすべて日本語インターフェースです。「日本語版」となっているので、UIも日本語版にわざわざ構成しなおしたんでしょう。ZBrushが日本語インターフェースに切り替えられるようになったのは最近の事ですから、それまでのユーザーは英語インターフェースに慣れています。そういった方はボタンやパレットの説明を見て少し頭の中で変換する時間が必要かもしれません。私がそうでした。
これは今後のZBrush教材の問題です。英語UIでやるか日本語UIでやるか。私の中では答えはでてます。ZBrushは英語UIで覚えるものです。最初は日本語UIで入ってもいいけど、途中で英語UIに切り替えるべきです。なぜなら世の中にある素晴らしいチュートリアルのほとんどは英語UIだから。日本語UIを採用した優れたチュートリアルや学習教材が増えてきたら日本語UIでいいかもしれません。この本はそういった部分にも寄与してます。

さて、本の内容としては最初にZBrushの機能説明があり、それから3つのモデルの作例があります。本の表紙にある「女戦士」「エイリアン」「歩行メカ」です。作例は面白くて興味深いものばかりで初心者を脱した方にはいい勉強になると思います。「女戦士」では素体を作っていくところのアプローチが良いです。この本は作例のデータがダウンロードできるようになっているのですが「女戦士」にはかなり多くのデータが用意されています。素体を作っていくところも動画解説と実際のZBrushデータが用意されています。ただ、デッサン力がない方は動画と同じやり方をしても絶対に同じ形は作れません。作者の積み重ねてきたデッサン力が形のとり方ににじみ出ています。こういった部分もZBrush初心者にはついていくのが難しいところかと思います。ちなみに、動画のUIは英語なんですけどね。(どないやねんっ!)

「エイリアン」はオーガニックとハードサーフェースが合わさったモデルになっています。往年のハードサーフェーススカルプト方法。つまり、Extract(抽出)してそのパーツを綺麗にしていく方法や、Panel Loop機能を使った方法等が解説されています。最新の方法というよりは昔からみんなやってる方法です。レガシーな技を学ぶのも大切です。

「歩行メカ」はZBrushのポリゴンモデリング機能、ZModelerを使用した作例となってます。ZModelerは三角形ポリゴンと四角形ポリゴンしか使えないというポリゴンモデラーにあるまじきとんでもない制限があるので、パズルを解くようなモデリング方法が要求されます。そういった部分も加味して色々な機能を使ってメカを作る方法が解説されていて面白いです。ZModelerは勉強をしていない方が割と多いのですが、覚えて損はない機能です。また、この作例ではノーマル(法線)レンダリング画像からライティングパスを作成するという方法が紹介されいるのですが、これを教えているZBrush本は初めて見たかもしれません。

作例のあとにはオマケ的にKeyShotでのレンダリング方法とForm2を使用した3Dプリント方法が解説されています。いずれもオマケ程度の内容ですが興味を持つには十分な内容だと思います。私もForm2ではよくZBrushのモデルを出力しています。自分で作ったモデルが画面の中から飛び出して現実世界に存在させることができるのは楽しいです。KeyShotはZBrushとほんとうに相性がいいです。レンダリング結果も素晴らしいです。是非触ってみてほしいソフトウェアです。

完全な初心者はかなり頑張らないと理解できない内容ですが、この本を読みながら理解できるようになっていくという方法はいいと思います。初心者を脱していて内容がスムーズに頭に入って来る方は作例から学べるところは多々あると思います。まさに邦題通り。「ステップアップのためのZBRUSHガイド」となるはずです。つまり初心者からのステップアップです。

カテゴリー: ZBrush, 書籍 | コメント / トラックバック: 0個

2018年

あけましてあけましておめでとうございます。

なんとか厄年を乗り越えましたがさすが厄年なだけあって、去年は大変な事がたくさんありました。だからできるだけ大人しくしようと思ってましたねー。
厄払いに一切行ってないんだけど、行った方がいいのかな?と思ったりしますね。

今年は去年に大人しくしていた分を発散しようと思います。

今年も宜しくお願いします!

カテゴリー: ZBrush | コメント / トラックバック: 0個

The Art of Mystical Beasts

森田悠輝さん著の幻獣アート作品集兼、技術、技法解説本です。

ZBrushだけでなく、一つの作品を完成させるために沢山のソフトウェアを活用していて非常に参考になります。餅は餅屋というように、自分のやりたいことが得意なソフトがあればそれを使う方が絶対に良くて、こだわって一つのソフトで作ろうとするのは良くない事です。例えば、ZBrushにもアニメーションを作成する機能がありますが、ZBrushよりアニメーション作成が得意で簡単に作成できるソフトなんて山ほどあります。この本では色々なソフトウェア効果的に使用して幻獣を作成していかれます。しかも詳しい解説付きです。
技法の解説だけにとどまらず、作品づくりのコンセプトや考え方も随所にはさみながら解説されているので、森田君がどのように考えながら絵づくりに取り組んでいるのかも分かって、勉強になります。

はじめにスカルプトでザックリとシルエットをとって、ディテーリングのためにディスプレイスメントマップを作成し、それをスカルプトに適用して詰めていくというワークフローで作品を作られています。
注目すべきはディテールをディスプレイスメントマップを作成しておこなっているという点で、テクスチャリングソフトのMARIやSubstance Painterが使われています。その際にUDIMの使い方を非常に分かりやすく解説されてます。UDIMはUVマップの領域を拡張して複数のマップをUDIM番号を使って管理し使用できるというものです。
ZBrushはまだUDIMには対応していないのですが、UDIMを使用したモデルにいかにしてディテールをディスプレイスメントマップから適用するのかというテクニックも解説されています。UDIMを使ってZBrushと組み合わせて制作する方法をこれだけ丁寧に解説している日本語書籍は他にまだないのではないでしょうか?

かつてZBrushイベントで私が司会と解説で呼んでもらった時に森田君の制作する様子を見ながら解説したことがあります。面白かったのはクリーチャーのディテールにキュウリのような野菜や果物の画像を使ったことがあるというエピソードでした。ものをいろんな角度から観察して考えながら制作されていて、みるみる魅力的なスカルプトができていったのを覚えてます。

この本には先述したように森田君の色々な作品もたくさん掲載されていて見ごたえのあります。ZBrush使いには絶対にお勧めできる本です!

カテゴリー: ZBrush, 書籍 | コメント / トラックバック: 0個