ポートレートスカルプティング 粘土で作る頭部:アナトミーから表情まで

Mar.
06

 

粘土による彫刻作家フィリップ・ファラウト氏の日本語翻訳本がボーンデジタルさんから発売されました。といっても去年の話なんですけどね。
この翻訳本がでる!と知ったときにはTwitterで絶対買う!とか言っておきながらようやく読んだという…。

私がフィリップ・ファラウト氏の事を知ったのはYouTubeです。彫刻や彫塑の動画を検索して色々みていると氏のPhillip Farautチャンネルがでてきました。その造形の正確さ、アプローチの仕方など、どれをとっても素晴らしいもので、即チャンネル登録しました。

この本「ポートレートスカルプティング 粘土で作る頭部:アナトミーから表情まで」はフィリップ・ファラウト氏が粘土彫塑で人間の頭部を制作していく作業過程を人体解剖学と共に学ぶことができます。「粘土によるアプローチで解剖学を学ぶ」という本は他にもあり、私が持っている本ではBrubo Lucchesi氏の「Modeling the Figure in Clay」や片桐裕司さんの「ANATOMY SCULPTING」などがあります。フィリップ・ファラウト氏の本はBrubo Lucchesi氏の本と構成がよく似てますね。頭部と体で本が2冊に分かれているところも同じです。この本、カラーではなくて白黒写真で全ページ構成されてますが、何も問題ありません。むしろ白黒の方が立体の陰影が良く分かって見やすいです。写真も綺麗。

頭蓋骨、筋肉はもちろんのこと、目や鼻や口といったそれぞれのパーツのみに注目して、形のとり方を学ぶことができます。

この本のセースルポイントの一つは、覚えるべき事柄をはっきりとした言葉で定義してくれる点が挙げられます。

具体的に言うと、P.34の「顔の筋肉とシワは直交する」という部分です。これは学生に教えてた時も、添削している時も絵で説明していたのですが、言葉にしたことはなく、経験則として知っているという部分だったので、こんな簡単に言い表すことができたんだと気づかされました。収縮する筋肉の影響を受ける表皮にどういったシワができるかというと、考えたら当たり前のことなんですが、直交するように出現します。

これを覚えておけば、筋肉の事を知っていればシワも描けるし、シワの事を知っていれば、筋肉の事が分かり意識することができるという、一石二鳥のよいアドバイスだと思いました。

しかもこれを読んだことで、別のモヤっとしたこともスッキリしました。この本に出てくるリファレンスは欧米人や黒人が多いです。アジア人とは頭蓋の骨格も違います。頭蓋の解説で、男性はとくに目のうえの眉骨が出ているという解説があります。

  1. そうするとそこにたくさんの筋肉(前頭筋)がつくはず!
  2. それで欧米人の方々は目の周りの表情が豊かなのか!
  3. 表情が豊かということは、筋肉が上下によくたくさん動く!
  4. その影響で額にシワが寄りやすい!(若い人でも額にシワが結構あったりする)

これも観察で得た経験則として知ってはいましたが、何故そうなのかという説明ができるようになりました。

私の具体的なポイントはその部分でしたが、これは人によって変わると思います。ただ誰にとっても有益になるポイントがあるのでは?と思わせてくれる本でした。
オススメです!

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